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7月25日には、内野安打で2塁走者・安部(右)に一気に生還を許した

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 7月25日夜、チームは岐阜での広島戦を終え、バスで大阪へ向かっていた。試合は1-2の惜敗。「変な点の取られ方をしてすみません」。車内で井端内野守備走塁コーチが田畑スコアラーの席に近づき、謝った。

 八回、マギーの不慣れな二塁守備を突かれ、二塁走者に一気に生還されて先制を許した。この日は広島との後半戦初戦。広島専従スコアラーに転任していた田畑・前投手コーチが試合前ミーティングにスコアラーとして初参加。それでも、3勝11敗の前半戦同様、足を絡めた攻撃力に屈した。

 示唆に富む数字がある。25試合の対戦で広島は115得点と巨人の72得点を圧倒した。1点当たりに要した安打数は広島が1・82本、巨人は2・57本。本塁打数の違いはあるが、効率良い得点に、各走者の脚力と意識の高さがうかがえる。

 マギーの打球処理の遅さに付け込まれた失点シーンは象徴的だろう。このほか、一塁走者が単打で三塁へ進んだり、一気に生還したりと、1人の走者がシーズンでどれほど進塁を積み重ねたかを計算すれば、「巨人よりはるかに多いはず」と巨人関係者は指摘する。

 機動力対策には守備力向上も必要でなかなか難しいが、改善点はありそうだ。広島から4勝を挙げた田口の投球がヒントになる。「ストライクゾーンをボール1個分ずつ広めに投げることを意識した」。足攻を警戒して四球を嫌い、ストライクを集めすぎて痛打される失点パターンに陥らないよう、ボール球を有効に活用。走者を出しても連打を許さないことを重視し、対戦防御率2・09につなげた。

 そもそも、出塁を極力抑えることで、足でかき回されるリスクを減らすことができる。ある先発投手は「個人の持ち球に応じた攻め方をもっと教えてほしかった」と振り返る。より緻密(ちみつ)なデータ分析と分かりやすい伝達という点で向上の余地がある。来季は広島を含めたセ・リーグ5球団に専従スコアラーを配置し、てこ入れを図る。

 「勢いのある攻撃に圧倒されてしまった」と高橋監督。スコアラーを強化した後半戦は4勝7敗とやや持ち直したものの、通算7勝18敗という惨敗だ。ほかの4球団には勝ち越しただけに、広島対策の成否が来季の巻き返しに直結するはずだ。